敷地は主要な駅からほど近い大阪市内の中心部、阿倍野区内にある。
クライアントはこの地に外界の遮断された、落ち着きある住環境をもとめられた。
基本的なレイアウトは周辺からの視線のカットと日照条件を念頭に建物の中央に設けた中庭を囲むコートハウス型としている。
外観は最低限必要なデザインに抑え、マッシブで硬質なイメージとした。外壁色もダークトーンを採用することより重厚感を増すとともに、このタイプの外壁色は経年変化時や劣化にひじょうに有効的である。
内部、特に中庭に面するLDKに関しては今までとは異なり、内外一体として使うということよりは中庭の景色を眺めることを重視し、動かすことの出来ない巨大なガラスで内外を仕切っている。この数百キロの重量を持つ大きなFIXペアガラス窓は製作可能寸法限界の大きさであった。
内部のトーンはライトグレーを基調に、アンニュイな色調でまとめられている。