大阪市内の密集エリアに計画されたコンパクトなコート型集合住宅である。
オーナーからはモネの絵画「睡蓮」のようなどこか淡く澄んだ空間のイメージを抱いておられた。
敷地周辺は非常に密度が高くはほぼ4方向とも隣接建物に囲まれた状況下にあったため、採光を考慮し敷地中央に扇形の中庭を設け建物全体はハの字型に開いたレイアウトをとっている。
中庭にはシンボルツリーのロシアンオリーブが植えられ、この扇形の中庭が住人同士の簡単なコミュニケーションの場、オアシスとなればと考えた。
建物へは全面道路より伸びる路地空間を抜けてエントリーする。次いでその先に広がる中庭を介して各住戸へと分かれていく。
建物には単身者から少人数の家族までに対応した4世帯が入っている。
各住戸は中庭に向かって開口部をもっており、全ての住戸より中庭に植えられた樹木を望むことができる。
内部は白を基調としシンプルにまとめられた。