| 窓や開口部

建物を設計する際、敷地の周辺環境により、プランの仕方や窓の位置や大きさ、建物の内部と外部との関係性の考え方は大きく異なります。
例えば比較的郊外の自然も多く残る環境においては、その自然環境をなるべくたくさん視界や空間に取り入れたいと思いますし、高台で眺めの良い場所では、その眺めを積極的に取り入れたいと考えます。

また計画地が比較的都市部の場合や、周囲が騒がしい場合、特に隣地建物がすぐ近くまで迫ってきているような環境においては、周辺環境に対して積極的に視線や空間を開いていくということは難しいように思われますので、そのような場合は中庭を設けることが多くなります。
可能な限り設ける全ての開口部から美しい景色を眺めたいと考えます。窓や開口部の先に何が見えるのか、何とつながるのかはとても重要なことです。決して隣の建物の壁や窓、塀などを見たいのではありません。隣人と視線が交わることや、覗かれるのが嫌でカーテンを閉めっぱなしの開口部も本当に残念だなと思います。

また、開口部は内部と外部をつなぐ大切な境界というか結界でもあります。閉じることで、空間にははっきりと内と外の区分が生じますし、逆に開け放ったときには、その内外の関係性をつないだり、曖昧に絡ませることも可能です。
その際、室内側に外部の要素を取り込むこともできますし、外部に内部の要素を引っ張り出すこともできるのです。そうすることで空間の視覚的拡がり、感覚的拡がりに変化をもたらし、空間自体の活用方法が大きく拡がり、より豊かな空間へと変貌をとげるように思います。

そして窓や開口部を設ける際、その位置と共に大切なことはその開口部の大きさとプロポーションだと考えております。と言うのはそれによって内外の関係性や空間の使われ方、光の入り方が大きく左右されるからです。
開口部は光の入り口です。空間の成り立ちや物の形は光とそれによって生じる影によって明らかにされます。一年を通して居心地の良い空間とするためには光のコントロールは欠かすことのできないとても重要な要素です。
また象徴的な美しい光を作り出す際にも設置する位置と相まって開口部の形は大きく関係するように思います。

開口部の中には時には驚きをもたらすものもあっても良いかもしれません。驚きとは遊び心を意味する場合もありますし、感動的なものもあってもよいと思います。
開口部と言っても、その種類は実に様々です。美しい景色を壁にかかった絵画のように切り取るフレームのような役割をするもの、内外の関係性を大きく結びつけ、一体的に活用できるような大きな開口、または格子状のような隙間の連続によって内外に優しくフィルター作用をかけるもの。トップライトのようものも素敵です。中庭もまた見上げれば空へとつながる大きな開口部のようなものだと思います。

また外好きの私は常に室内と室外の境界線をなるべく消したいと考えております。
過ごしやすい季節、天気の良い日には開口部を全て開け放ち、内部空間に光と風を導き入れることは、とても気持ちの良いものと思います。

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